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自然性向上のための補助的な操作について

音節素片を接続する際には,波形の位相を考慮する必要がある.位相を考慮せ ずに波形を取り出し,接続すると,接続部分にノイズが乗り,合成音声の品質, 特に自然性を低下させる原因となる.この問題を解決するために,音素間のス ペクトル遷移の始終端の時間を用いることで品質の向上をねらった研究がある [13].文献[13]では,音素間で前後音素が不一致の場合を対 象として効果が得られたことが報告されている.

本研究では,振幅が負から正に変化する点(以下,零点) を探し,音節素片の 開始時間と終了時間から見て最も近い零点で波形データを切り出す.本研究で は前後環境が一致した音節素片を選択しているため,このような簡易な方法を 採っても合成音声の品質の低下は小さいと考えている.



Jin'ichi Murakami 2008-08-23