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音節波形接続方式による音声合成の例
音節波形接続方式では,まず,音節を単位として素片選択を行う.素片選択の
条件としては,表1中のパラメータが一致するものを候補とする.
なお,複数の候補が残った場合はランダムに選択する.
音節素片を「
」と表現する.記号の意味は表1
と同じである.「反対」(/ha/N/ta/i/)を合成する音節素片を,以下のように
表現する.
- 普通名詞「反対」(/ha/N/ta/i/)のモーラ数は4であるため,とな
る.またアクセントとして,音の高低を0(低)と1 (高)で表すと,
となる.
- 1モーラ目の音節はhaであり,前音
素はなく,後音素はNである.よって,
と表
現できる.
- 同様に,2モーラ目の音節はNで,前音素がa,後音素がtで
あるので,
と表現できる.
- 3モーラ目,4モーラ目もそれぞれ,
,
と表現できる.
- すべての音節素片において,条件に合う音節素片を録音データベースから抽出する.
- ラベルデータから音節素片の開始時間と終了時間を取得して波形データ
を取り出し,接続することで合成音声を作成する.
たとえば,「反対」(/ha/N/ta/i/)の/ha/は「反映」(/ha/N/e/i/)の
/ha/, /N/は「簡単」(/ka/N/ta/N/)の/N/,/ta/は「団体」
(/da/N/ta/i/)の/ta/,/i/は「洋裁」(/yo/u/sa/i/)の/i/から
作成する.
概略を図2に示す.
Figure:
提案手法の概略
Outline for Proposed Method |
Jin'ichi Murakami
2008-08-23