文モデルの作成および発話予測モデル作成用のコーパスとして利用するため に,模擬対話実験を行い,発話文を収集した.この模擬対話実験では,シス テム役も指定した応答をするよう訓練された人間が行い,ヘッドホンおよび マイクによる双方向の音声と,画面表示(システム役がその応答内容に合わせ て選択表示し,ユーザからは直接操作不可能)を介して対話を行わせた.ユー ザ役の被験者には実験の直前に約5分間のビデオによって対話の目的と対話の 手順を,例示を織り混ぜてインストラクションした.
対話は3,4回収録し,そのうち2,3回目の対話を書き起こした.また,ユーザ の各発話に対しては意味表現をタグとして付与した. ユーザ役となる被験者 44人(すべて女性)に対してこの実験を行い,計89対話,1886発話の書き起こし 済みの対話データを得た.