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インストラクションによる自然な発話制約

音声認識に文モデルを使う場合,発話可能な文全体に対するカバレッジが大 きな問題となる.ユーザに全く自由な発話を許せば,自然言語現象の多様性 により,発話される文の種類数は無数となるので文モデルでは扱えない.ま た,発話可能な文を一方的に限定することは,システムの利用感の低下を招 く.以上の問題に対して,我々はユーザの発話を実験前の対話手順の教示(イ ンストラクション)を利用して制約することで対処した.

インストラクション時にビデオによって発話例の音声と発話している状況を 映した映像を提示し,ユーザの発話の制約を試みた.通常,音声対話の実験前 などに行うインストラクションでは,実験時の発話への影響を避けるために極 力例示は行わない.しかし,本研究では逆に積極的な発話の例示により,発話 の自然な制約が可能と考えた.また,文モデルによる表現が困難な不用語やポー ズなども,発話の制約により減少して文モデル化が容易になると考えた.



Jin'ichi Murakami 平成13年4月17日