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評価試験結果

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表 2: 評価結果
   
了解度試験
正解率(%)
 オピニオン  
 スコア平均値  
    
自然音声  90.4  (97.9) 4.6  (4.6)  
 本手法による  
 合成音声  
 91.5  (98.0) 3.5  (3.4)  

に結果を示す.なお,話者の声質により合成音声の品質が変わる場合を考慮して, 話者を変えて同様の方法で合成実験および評価試験を行った. この結果も( )内に合わせて示す.

合成音声は, 自然音声と同程度の単語了解度が得られている. 地名が耳なれないものであることから, 自然音声の単語了解度すら100%ではない. このことを考慮すると, 合成音声は, 電話番号案内システムのようにユーザーの入力を 反復して確認を求めるような用途では 十分利用できると思われる.

オピニオンスコアが悪いサンプルを調べてみると, 母音-母音,母音-半母音など有声音の接続部分における 不連続感が悪影響を及ぼしていることがわかった. このようなサンプルを減らして 全体的に音質を上げるために, 音節部品選択時に複数候補があった場合は パラメータとしてピッチ周波数などを加え, そのつながりの良いものを選択する, などの方法が考えられる.

また,件数は少なかったが,音節部品用に発声した 地名が「豊田1」(トヨタ+イチ)のように 複合語になっていたためにイントネーションが 不自然になった場合もあった. このような地名はあらかじめ合成対象から除いておく 必要があるが, 接尾辞(数字,「甲」,「乙」,「丙」など) に着目し,漢字表記と読みの情報を用いて 半自動的に除くことが出来る.



Jin'ichi Murakami 平成13年10月1日