segmentation未知の場合におけるカテゴリ識別を考える時、この対
処の一つとして、HMM ( Hidden Markov Model ,隠れマルコフモデ
ル )の適用が考えられる。一般に音声認識では、音声の特性を考慮
して、left-to-right型のHMMが用いられる。しかし、話者認識や言
語のモデリングにおいては、全ての状態が全ての状態に接続してい
るergodic HMM が使用されている[7,8,9]。
このergodic HMMを、信号源分解問題に利用した時、カテゴリー
が状態に相当し、信号系列は状態から出力されるシンボル系列と考
えることができる。
信号源分解問題に ergodic HMMを用いた場
合、前述の2および3の問題は、次の二つの問題のようになる。
なお、推定された最適状態遷移系列が信号系列のsegmentationとカ テゴリ識別を同時に与える。
ergodic HMMによる解法の概略を、図2に示す。
なお、ここでは問題の性質上、各状態がシンボルを出力する 状態出力タイプ(Moore型)の離散型 (discrete) HMMを考える。