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ergodic HMM

segmentation未知の場合におけるカテゴリ識別を考える時、この対 処の一つとして、HMM ( Hidden Markov Model ,隠れマルコフモデ ル )の適用が考えられる。一般に音声認識では、音声の特性を考慮 して、left-to-right型のHMMが用いられる。しかし、話者認識や言 語のモデリングにおいては、全ての状態が全ての状態に接続してい るergodic HMM が使用されている[7,8,9]。 このergodic HMMを、$N$信号源分解問題に利用した時、カテゴリー が状態に相当し、信号系列は状態から出力されるシンボル系列と考 えることができる。$N$信号源分解問題に ergodic HMMを用いた場 合、前述の2および3の問題は、次の二つの問題のようになる。

  1. 信号系列 $\mbox{\boldmath$X$}$の尤度を最大にするHMMのパラメータ $\mbox{\boldmath$M$}$ を推定する問題(モデルの推定、または学習)。なお、パラメータ $\mbox{\boldmath$M$}$は初期状態確率 $\mbox{\boldmath$\pi$}= (\pi_i)$、状態遷移確率 $\mbox{\boldmath$A$}=
(a_{ij})$及びシンボル出力確率 $\mbox{\boldmath$B$}= ( b_j(l) )$で構成される。

  2. $\mbox{\boldmath$M$}$ $\mbox{\boldmath$X$}$を出力する時の最も可能性の高い状態遷移系 列を推定する問題(最適状態遷移系列の推定)。

なお、推定された最適状態遷移系列が信号系列のsegmentationとカ テゴリ識別を同時に与える。

ergodic HMMによる解法の概略を、図2に示す。


図 2: 離散型 ergodic HMM による解法
\begin{figure}\begin{center}
\fbox{\epsfile{file=PS/HMM.ps,width=8cm}} \end{center}\end{figure}


なお、ここでは問題の性質上、各状態がシンボルを出力する 状態出力タイプ(Moore型)の離散型 (discrete) HMMを考える。



Jin'ichi Murakami 平成13年10月4日