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HMMのパラメータ推定

HMMのパラメータ $\mbox{\boldmath$M$}$の推定手法として、Baum-Welchのアルゴリズ ムが知られている。これは、最大尤度推定のためのEMアルゴリズム [2]を、 $\mbox{\boldmath$M$}$の推定に適用したものであり、推 定値は繰り返し計算で求められる。このアルゴリズムを$N$ 信号源 分解問題に適用する場合、2つの問題点がある。

  1. アンダーフロー

    $N$ 信号源分解問題においては、信号系列の長さは、通常の音声認 識の場合と比較すると、きわめて長くなるために、Baum-Welchの学 習においてアンダフローが起きやすい。この解決方法として、 Forward値の$\alpha$パラメータを全ての$t\in $ $\{ 1,2,...,T\}$ $\sum_{i=1}^{N}\alpha_t(i)=1$と なるようにスケーリング[2]する必要がある。

  2. 初期パラメータ

    Baum-Welchのアルゴリズムは、理論的には初期パラメータにより様々 な局所的極大点の方向に進む。したがって、所望のカテゴリ識別を 行なうためには初期パラメータの設定が重要となる。これについて は、実験で考察する。



Jin'ichi Murakami 平成13年10月4日