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今後の対策について

既に述べたように文型パターン方式の成否の鍵は,どれだけの被覆率と意味的排他性が実現できるかであるが,被覆率について明確な成否の分岐点を設けるのは難しい.文型パターンは,非線形な構文構造を対象に作成されているが,線形で従来の翻訳方法でも十分訳せるような入力文にも適合する.本研究では,単語レベル,句レベル,節レベルを合わせた被覆率(この場合,「文型再現率$R1$」×「適合文型正解含有率$P2$[*]で評価)として50%が得られれば,実用上の効果が期待できると考え,それ以上の被覆率の達成を当面の実現目標としているが,現状(文法レベル文型パターン)の「適合文型正解含有率$P2$」の値は低く,適合した文型パターンから意味的に正しいものを選択することも容易でないと推定される.また,意味的排他性も実現されていない.従って,今後の課題は,第1に,「文型再現率$R1$」と「適合文型正解含有率$P2$」の両者を上げること,第2に「文型パターンの意味的排他性を向上させ意味的に不適な文型パターンに適合しないようにすること」の2点であると考えられる.

そこで,以下では,これらの2つの課題の可能性について考える.



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平成16年11月17日