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HMMの初期パラメータ

HMMには多くの種類があるが、本論文では各状態がシンボルを出 力する状態出力タイプ (Moore 型) の離散型 (discrete) HMMを 考えた。 また状態数(カテゴリ数)は、話者数と同数の4状態 とした。

なお、Baum-Welch アルゴリズムは局所的最大点の方向に 進むため、初期パラメータによって識別率が大きく変動するこ とが知られている[39]。そこで初期パラメータを以下の 3種類の方法で計算し、識別実験を行なった。

  1. 実験1: (全パラメータに真値を与えた場合)

    HMMパラメータ $\mbox{\boldmath$M$}$の初期パラメータとして、初期状態確率 $\mbox{\boldmath$\pi$}^{(0)}$ と状態遷移確率 $\mbox{\boldmath$A$}^{(0)}$、とシンボル出力確 率 $\mbox{\boldmath$B$}^{(0)}$全てに真値を与えた。なお話者および発話 時間を決めて音声資料を作成しているため、真値はこれから 直接計算できる。

  2. 実験2: (シンボル出力確率に真値を与えた場合)

    初期パラメータとして、シンボル出力確率 $\mbox{\boldmath$B$}^{(0)}$は真値 を与えるが、初期状態確率 $\mbox{\boldmath$\pi$}^{(0)}$と状態遷移確 率 $\mbox{\boldmath$A$}^{(0)}$は等確率にした。

  3. 実験3: (シンボル出力確率にランダムな値を与えた場合)

    初期パラメータとして、初期状態確率 $\mbox{\boldmath$\pi$}^{(0)}$ と状態遷 移確率 $\mbox{\boldmath$A$}^{(0)}$を等確率に、シンボル出力確率 $\mbox{\boldmath$B$}^{(0)}$ をランダムに与えた。なお、 $\mbox{\boldmath$B$}^{(0)}$を等確率に与えた場 合、Baum-Welch アルゴリズムは動かない。



Jin'ichi Murakami 平成13年1月5日