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音声認識におけるアクセント情報の持つ情報量

実際の音声認識(例えば[81])においては、音素系列を 決定する目的のために、アクセント情報を利用する場合が多いと考 えられる。このために用いられるアクセント情報の情報量を定量的 に求めることは困難であろう。

今回の実験は、音素系列が正しく与えられた上で、仮名漢字変換し たときに生成される漢字仮名交じり文をどれくらい減らせるかを示 すことによって、アクセント情報の情報量を定量的に把握したもの である。アクセント情報は正しく与えられるものと仮定しているか ら、これは仮名漢字変換の視点から見た、利用できるアクセント情 報の情報量の上限を与えるものと考えられる。

この意味では、今回情報量を把握したアクセント情報は、上記のよ うな一般の音声認識でのアクセント情報とは若干異なる性格のもの であるが、一応の目安にはなるであろう。今回の実験によって、ア クセントのもつ情報量は、かなり大きいことが示されたことから、 アクセント情報は音声認識において認識性能を向上させる有効なパ ラメータであると思われる。



Jin'ichi Murakami 平成13年1月5日