図7.2に、本章で用いた、アクセント 情報の情報量の測定方法のフローチャートを示す。例文として``私 は牡蛎を投げた''を用いた。
まず初めに、漢字仮名交じり文を音素情報およびアクセント情報に 変換する。この例文では``ワタシワ_^ カキオ_^ ナ ゲタ''が出力される。
次に、この出力結果からアクセント情報を除いて音素情報のみを選 択する。例文では``ワタシワカキオナゲタ''になる。この音素情報 から漢字仮名交じり文を生成する。この結果``私は牡蛎を投げた。''、 ``私は火器を投げた。''、``私は柿を投げた。''、``私若木を投げ た。''、``私は牡蛎を和げた。''の漢字仮名交じり文が出力される。
次に、これらの漢字仮名交じり文を再び音素情報およびアクセント 情報に変換する。この音素・アクセントー漢字変換は1つの漢字仮名 交じり文に対して1つの正しい音素情報およびアクセント情報が出 力される。
最後に、これらを元の音素情報およびアクセント情報``ワタシワ_ ^ カキオ_^ ナゲタ''と比較する。B1) は元の漢字仮 名交じり文である。 B2) は音素とアクセント句境界およびアクセ ント核が一致する。B3) は音素情報とアクセント句境界が一致する がアクセント核が異なる。B4) は音素情報が一致するがアクセント 句境界およびアクセント核は異なる。 B5) はすべての情報が異なっ ている。 この例では、元の音素情報およびアクセント情報に一致 する漢字仮名交じり文は2文である。また、音素情報が一致する漢 字仮名交じり文は4文である。したがってアクセント情報の持つ情 報量 は となる。