機械翻訳の手法の一つにNeural Machine Translation(以下,NMT)[1]がある. NMTでは対訳文で学習を行い,その学習結果を用いて入力文の翻訳を行う. しかし,入力文のなかには対訳学習文にない単語を含む可能性が高い. 本論文では入力文にあって対訳学習文にない単語を未知語という. 未知語を翻訳するためには対訳学習文に未知語を含む対訳を増やす必要がある. 現在では,対訳の増加に関しては人手による作業が主である. そのためコストがかかってしまう. 対訳には文だけでなく,句や単語がある. 単語によって未知語を学習し,翻訳性能が向上すればコストの削減が見込める. そこで,本研究では対訳文だけではなく,対訳単語や対訳句を用いて未知語の学習をした場合の翻訳性能の比較を行う.
本論文の構成は以下の通りである. 第2章では,NMTについて述べる. 第3章では,未知語について述べる. 第4章では,提案手法について述べる. 第5章では,実験環境について述べる. 第6章では,実験結果について述べる. 第7章では,考察について述べる. 第8章では,追加実験について述べる. 第9章では,本実験の簡単なまとめについて述べる.