BERTと最大エントロピー法の被験者実験の考察

BERTと最大エントロピー法の再現率と, 被験者実験の置き換え可の値との相関係数を求めた. その結果を表5.23に示す.




Table 5.23: BERTと最大エントロピー法の相関係数
  名詞 動詞 形容詞 副詞 合計
最大エントロピー法 -0.8130 -0.6489 -0.5785 -0.0720 -0.5503
BERT -0.5751 -0.3738 -0.5355 -0.1904 -0.5092

最大エントロピー法とBERTの合計には, 逆の相関があるように見える. しかし, 本当に再現率と被験者実験の置き換え可否との間に, 相関があるかわからない. そこで, 表5.23の結果を用いて, 無相関検定(有意水準5%)を行う. まず, 最大エントロピー法の合計の結果で無相関検定を行い, その結果を表5.24に示す. p値が0.05より小さければ有意差があると判断される.




Table 5.24: 最大エントロピー法の無相関検定の結果
相関係数 -0.55032
データ数 34
t値 3.728486
p値 0.000746

5.24より, p値が0.05より小さいので, 有意差があると判断される. よって, 最大エントロピー法の再現率と被験者実験の置き換え可の値との間に, 有意な逆の相関があることが分かる. 次に, BERTの合計の結果で無相関検定を行い, その結果を表5.25に示す.




Table 5.25: BERTの無相関検定の結果
相関係数 -0.50915
データ数 33
t値 3.293689
p値 0.002478

5.25より, p値が0.05より小さいので, 有意差があると判断される. よって, 最大エントロピー法の再現率と被験者実験の置き換え可の値との間に, 有意な逆の相関があることが分かる. さらに, 最大エントロピー法とBERTとの相関係数の間に有意差があるかを, 相関係数の差の検定(有意水準5%)で調べる. その結果を表5.26に示す.




Table 5.26: 相関係数の差の検定の結果
  最大エントロピー法 BERT
相関係数 -0.55032 -0.50915
データ数 34 33
z変換値 -0.61884 -0.56158
p値   0.223572

5.26より, p値が0.05より大きいので, 最大エントロピー法とBERTの相関係数の間に有意差がないと判断される. したがって, BERTは最大エントロピー法と同様に, 逆の相関があることが確認できた.