相関係数の差の検定

本研究では2つの相関係数の有意差検定に, 相関係数の差の検定を使用する. 相関係数の差の検定とは, 2つの相関係数を求めた際に, その相関係数に有意差があるかどうかを検定する手法である. 以下, 相関係数の差の検定の流れを示す.
1. 仮説の設定

帰無仮説(10#10):「2つの相関係数に差がない」と仮定する.

対立仮説(11#11):「2つの相関係数に差がある」と仮定する.
2. 有意水準の設定

有意水準とは,仮説を棄却するときの基準となる確率のことである.有意水準は5%設定する.2つの相関係数をそれぞれ20#20, 21#21とする.

3. p値を求める
以下の数式で相関係数20#20, 21#21をそれぞれ, 22#22, 23#23(z変換)に変換する.

24#24 (2)

25#25 (3)

次に, z変換値22#22, 23#23とデータ数26#26, 27#27からp値を求める.

28#28 (4)

10#10が正しいという前提において,極端に偏った検定量が得られるp値を求める.

4. 10#10を棄却する

10#10が正しいという前提で求めたp値が有意水準を下回ることで10#10の仮定を棄却し,11#11の仮説が立証することで,有意差があることを証明する.この時初めて「統計的に有意差があった」といえる.