要素合成法の問題

要素合成法とは,入力文を単語ごとに翻訳し,各翻訳結果を組み合わせて翻訳を行う手法である.
要素合成法の問題は、ルールベース機械翻訳(RMT)の時代から存在していた.しかし,未だに明確な解決方法が発見されていない.NMTにおいても同様の問題が存在すると推察されている. 要素合成法の問題を以下に示す.この問題は,影響の大小はあるがすべての翻訳システムに当てはまる.

  1. 文を翻訳するとき,入力文を単語ごとに翻訳しても文全体の意味としては間違った翻訳になることが多い.

  2. 翻訳精度を向上させるには,文全体の意味を考慮して翻訳するために,長い句ごとに翻訳を行う必要がある.

例を以下に示す.

要素合成法の翻訳方法は,学習した内容で一番頻度が高い単語を利用して翻訳する.そのため,文全体の意味を考えると間違った翻訳になる場合がある.