翻訳の手順

本節でTDSMTにおける翻訳の手順を示す.入力文を「私の姉は教師だ。」とする.

手順1 入力文に日本語側の変換テーブルを適用

 変換テーブルのCAを利用して, 入力文を学習文対の日本語側と一致させる. 表2.13では入力文中の「教師」を「生徒」に変換する.
表: 日本語側変換テーブルの適用例
入力文 私の姉は教師だ。
変換テーブル:C 教師
変換テーブル:A 生徒
一致する学習文対(日本語側) 私の姉は生徒だ。

手順2 学習文対に英語側の変換テーブルを適用

 手順1と同じ変換テーブルのBDを学習文対の英語側に適用し, 出力候補文を作成する. 表2.14では学習文対中の「student」を「teacher」に変換している.


表: 英語変換テーブルの適用例
一致した学習文対(日本語側) 私の姉は生徒だ。
一致した学習文対(英語側) My sister is a student.
変換テーブル:B student
変換テーブル:D teacher
出力候補文 My sister is a teacher.

手順3 最終的な出力文の決定

 複数の出力候補文が得られた場合, 計算式(2.31)に従って, 最終的な出力文を決定する.ここで$ P_m$は言語モデルの確率である.


$\displaystyle log P = log P_v + log P_m$     (2.43)

2.3にTDSMTの流れ図を示す.

図: TDSMTの流れ図
\fbox{\includegraphics[width=0.8\linewidth]{picture/TDSMT.eps}}