本節は中村ら[9]の抜粋である.
“相対的意味論に基づく変換主導型統計機械翻訳(TDSMT)”とは, 安場らが提案した機械翻訳の手法の一種である.
TDSMTは, 学習文対と, 変換テーブルを用いて, 原言語文を入力とし, 目的言語文を出力する.
変換テーブルは“AがBならばCはD”で表現する.
Aは学習文対中の原言語句, Bは学習文対中の目的言語句, Cは入力文中の原言語句, Dは出力文中の目的言語句である.
原言語入力文が, 学習文対の原言語側と一致するまで, 入力文と変換テーブル中のACを照合する.
次に, 一致した学習文対の目的言語側を, 照合した変換テーブルのBDに従って変換し, 目的言語翻訳文を出力する.
TDSMTは適切な学習文対及び, 変換テーブルが存在した場合, 翻訳精度の高い出力文を得ることができる.
しかし, TDSMTは変換テーブルを適用した, 入力文が学習文対に完全に一致しない場合は翻訳ができない.
従って, 問題点として, 入力文に対するカバー率が低い.
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