表5.25に類義語の組「うろうろ」「ぶらぶら」の機械学習の分類結果を示す. 表5.26に類義語の組「うろうろ」「ぶらぶら」の有意差検定に基づいた機械学習が参考にした素性を示す. 表5.27に類義語の組「うろうろ」「ぶらぶら」の正規化α値に基づいた機械学習が参考にした素性を示す.
データ数 | 再現率 | 適合率 | F値 | |
うろうろ | 124 | 0.64 | 0.63 | 0.63 |
ぶらぶら | 124 | 0.62 | 0.63 | 0.63 |
総数 | 248 | 0.63 | 0.63 | 0.63 |
うろうろ | ぶらぶら | ||||||
素性 | 頻度(p値) | 素性 | 頻度(p値) | ||||
素性2:する(直後) | 29 | 素性31:歩く | 22 | ||||
( ) | ( ) | ||||||
素性20:名詞 | 20 | 素性1:歳 | 13 | ||||
( ) | ( ) | ||||||
素性7:句点 | 12 | 素性2:歩き(直後) | 9 | ||||
( ) | ( ) | ||||||
素性2:対象語が文末 | 12 | 素性2:家(2単語前) | 5 | ||||
( ) | ( ) | ||||||
素性31:ます | 10 | 素性1:生活 | 5 | ||||
( ) | ( ) |
うろうろ | ぶらぶら | ||
素性 | 正規化 値 | 素性 | 正規化 値 |
素性1:駅 | 0.62 | 素性1:買い物 | 0.63 |
素性2:する(直後) | 0.61 | 素性1:時間 | 0.59 |
素性1:境内 | 0.55 | 素性2:対象語が文頭 | 0.58 |
素性1:座席 | 0.54 | 素性1:街 | 0.57 |
素性31:動く | 0.54 | 素性1:わき道 | 0.56 |
「うろうろ」は「うろうろする」という表現があるのに対し,「ぶらぶら」は「ぶらぶらと歩く」や 「ぶらぶらと時間を潰す」など時間に余裕がある場合は「ぶらぶら」が使われやすいことが分かった. また,「うろうろ」が文末になることが多いのに対し,「ぶらぶら」は文頭になりやすい.「うろうろ」「ぶらぶら」は他の類義語の組と比べ,データ数が少なく,わかったことは少なかった.
また,文献[6]によると以下のように書かれている.
「うろうろ」も「ぶらぶら」も,ともに辺りを徘徊する様子を表します. でも,それを見ている者が不審の念を抱くかどうかに違いがあります.
「うろうろ」は,どうして良いか分からず,ただむやみに動き回っている様子です.それを見ている者が, 「何をしているんだろう」といぶかしく思う場合です.
一方,「ぶらぶら」は,「その年齢までまだ身もかため得ずにぶらぶらして居る」のように使います. 行動する側に精神的・物理的な余裕があるので,それを見ている側も不審の念 を抱かないのです.「ぶらぶら」は余裕のある徘徊です.
文献[6]と素性分析の結果を比較し同じ結果となったことを以下に示す.素性分析から「うろうろする」や「うろうろ動く」のようにどうして良いか分からず,ただむやみに動き回っている様子を表しているということがわかり文献と同じであった.「ぶらぶら」は「歩く」「買い物」「時間」などから余裕のある徘徊であることがわかり,また,「歳」「家」などの素性から「その年齢までまだ身もかため得ずにぶらぶらして居る」ということがわかり文献と同じであった.
文献に載っておらず,素性分析から新たにわかったことはなかった.
文献に載っているが素性分析からは得られなかったこともなかった.