図2.1に具体的な例を示す.
図2.1において,変換テーブル1では対訳文の日本語側の「医者」と入力文の「患者」を変換できないため,適用できない.また,変換テーブル2では,対訳文の「医者」と入力文の「患者」を変換することが可能である.しかし,変換テーブルの「AがB」の部分が「医者 が surgeon」となっている.しかし,対訳文の日本語側に「医者」という単語は存在するが,対訳文の英語側では「surgeon」という単語は存在しない.このため,変換テーブル2は適用できない.
このように,変換テーブルを適用するには,対訳文の日本語側と入力文において,変換テーブルのAとCが存在し,対訳文の日本語側と英語側において,変換テーブルのAとBが存在する必要がある.このような条件で入力文を変換して,対訳文と一致させるには大量の変換テーブルを用意する必要がある.
また,対訳文に存在しない語や対訳文中の出現頻度が少なく学習が困難が語(以下,未知語)が入力文に一つでも存在した場合,この入力文は翻訳不可能となる.