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変換テーブルの誤り


Table 6.15: TDSMTの誤り例(変換テーブルの誤り)
117#117


6.15の翻訳例では,対訳文の選択は適切であると言えるが,変換テーブル2の 「84#84は85#85」の部分が不適切と言える.「間に合った」の英語訳は「was in time for」などがある.この変換テーブル2の作成に利用した情報を表6.16に示す.


Table 6.16:6.15の変換テーブル2
118#118


6.16では対訳文2では「間に合った:just barely met」に文パターンが照合することで正しい変換テーブルが得られる.しかし,このようにした場合,他の変数には対応が誤った部分が当たる.「辛くも締め切り:the deadline」そのため,この対訳文2と文パターンの組み合わせは不適切である.

6.16では対訳文1と対訳文2には文法の差が少しある.対訳文2では文頭に「辛くも」という形容詞がある.これは英語側では「just barely」にあたる.このため,文パターンを照合した際誤った変換テーブルが作成された.

また,仮に「84#84は85#85」が「間に合った:just barely met」の変換テーブルを得られたとしても表6.15の入力文には一般的には使われない.このように,目的語や主語に対応した動詞を利用しなくてはならない問題がある.このような問題点は言語モデルで補うのが現在のきかい 翻訳の主流である.TDSMTでもこの流れに従う.

また,対訳文には「間に合った」の表現に関して「電車に間に合った:was in time,just made」「開演時間に間に合う:was just in time for」など様々な表現がある.これらの対訳文を利用して,正しい表現を抽出必要がある.



Hiroto Yasuba 2019-05-08