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再現率低の例「薄れる」と「薄らぐ」

(正解例1)
物資が出回ると、賞品の魅力も薄れる一方。
(正解例2)
大江健三郎さんのノーベル文学賞受賞を除けば、この年の記憶は薄らぐ一方ではないか。
(誤り例1)
議会の総与党化傾向が原因で、行政との緊張感は薄れる一方だ。
(誤り例2)
議席数で労働党と大差がついた結果、二大政党の連立の可能性も薄らぐことになった。




表 7.17: 機械学習の結果(再現率低の例:「薄れる」と「薄らぐ」)
  再現率 適合率 総数
薄れる 0.97 0.88 398
薄らぐ 0.06 0.21 51




表 7.18: 機械学習が参考にした素性(再現率低の例:「薄れる」と「薄らぐ」)
薄れる 薄らぐ
素性 正規化 22#22 素性 正規化 22#22
素性1:UNIGRAM 0.67 素性1:思い 0.64
素性1:時間 0.62 素性1:復興 0.62
素性1:関係 0.56 素性1:実感 0.61

再現率低の例として,「薄れる」と「薄らぐ」という対がある.これらの語は両方,EDR日本語単語辞書で概念識別子に3c300eが与えられており, EDR概念辞書によるとこの識別子は「物事の程度が弱くなる」を意味する.

7.18と表7.17より,「薄らぐ」に比べて「薄れる」の方が一般的であると言える.また例文や素性からも特に使い分けの特徴を得ることができなかった.これより,この類義語対は「薄れる」が一般的だが,特別に使い分けが必要ということではないといえる.



2018-03-09