next up previous contents
Next: 再現率中の例「痛ましい」と「涙ぐましい」 Up: 類義語対ごとの考察 Previous: 再現率高の例「近しい」と「むつまじい」   目次

再現率中の例「気高い」と「神々しい」

(正解例1)
「三橋さんの気高い魂に、芸術家の本当の在り方を教えられた」と語った。
(正解例2)
神々しい名前の由来は、四つの生薬が「四神」と呼ばれたため、という説がある。
(誤り例1)
どんな困難の中でも他者をいたわる心は、世界に誇るべし日本人の気高い精神です。
(誤り例2)
富士山は神々しい存在で、心が洗われたという。




表 6.17: 機械学習の結果(再現率中の例:「気高い」と「神々しい」)
  再現率 適合率 総数
気高い 0.72 0.71 118
神々しい 0.69 0.70 113




表 6.18: 機械学習が参考にした素性(再現率中の例:「気高い」と「神々しい」)
気高い 神々しい
素性 正規化 22#22 素性 正規化 22#22
素性1:いさ 0.73 素性1:神 0.74
素性1:悲しみ 0.69 素性1:さ 0.64
素性1:さん 0.63 素性1:姿 0.61

再現率中の例として,「気高い」と「神々しい」という対がある. これらの語は両方,EDR日本語単語辞書で概念識別子に3cefa8が与えられており, EDR概念辞書によるとこの識別子は「優れて気高いさま」を意味する.

6.18と正解例2より「神々しい」を選択する際に,「神」といった素性に高く依存していることが分かった.しかし誤り例1を見てみると,「精神」といった形で「神」が出現すると素性に依存して「神々しい」が選択されてしまうため有用とは言えなかった. また「悲しみ」といった単語が出現すると,それと同時に「気高い」が使われている文が多かった.「さん」が素性に出現していることから一般的に人物に対しては「気高い」を使うことが多いことが分かった.

よって,この類義語対は使い分けを必要とする傾向にあると考えられる.



2018-03-09