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再現率高の例「近しい」と「むつまじい」

(正解例1)
愚かな人間たちの営む社会として「江戸」が現代にぐっと近しいものに思われてくる。
(正解例2)
お二人の中国訪問に同行する、最も印象に残ったのは仲むつまじい姿だった。
(誤り例1)
8月29日の党代表選の開票後、元代表はグループの会合で敗北を一応認めたが、近しい同僚議員の見方は異なる。
(誤り例2)
大海原では別々に行動していた前年のつがいが半年ぶりに再会するわけで、うらやましいようなむつまじさです。




表 6.15: 機械学習の結果(再現率高の例:「近しい」と「むつまじい」)
  再現率 適合率 総数
近しい 0.88 0.84 75
むつまじい 0.88 0.90 101




表 6.16: 機械学習が参考にした素性(再現率高の例:「近しい」と「むつまじい」)
近しい むつまじい
素性 正規化 22#22 素性 正規化 22#22
素性1:修飾先が名詞 0.57 素性1:仲 0.68
素性1:被修飾先が副詞 0.55 素性1:よう 0.61
素性1:関係 0.53 素性1:姿 0.58

再現率高の例として,「近しい」と「むつまじい」という対がある. これらの語は両方,EDR日本語単語辞書で概念識別子に3cfc19が与えられており, EDR概念辞書によるとこの識別子は「関係が深いさま」を意味する.

6.16より「修飾先が名詞」や「被修飾先が副詞」の場合「むつまじい」より「近しい」を使うことが多い.例えば正解例1の「ぐっと」や他には「とても」などが多く見られた.また「むつまじい」は「仲むつまじい」と使われていることが多く,素性を見ても明らかであった. これらより,この類義語対は使い分けを必要とする傾向にあると考えられる.



2018-03-09