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再現率中の例「ほったらかす」と「怠る」

(正解例1)
かつて監督25年目で初出場を果たす「家族をほったらかしにしたワシが……」と絶句した監督もいました。
(正解例2)
政策内容をきちんと地元に提示する、コンセンサスを得る努力をって原子力行政を進める道はない。
(誤り例1)
国民のことはほったらかす、一派閥の主導権争いばかり。
(誤り例2)
実際、IWCは20年以上にわたり、利益ばかり優先させ、クジラの保護管理はってきました。




表 6.7: 機械学習の結果(再現率中の例:「ほったらかす」と「怠る」)
  再現率 適合率 総数
ほったらかす 0.68  0.97 69
怠る 0.99  0.98 1255




表 6.8: 機械学習が参考にした素性(再現率中の例:「ほったらかす」と「怠る」)
ほったらかす 怠る
素性 正規化 22#22 素性 正規化 22#22
素性1:まま 0.57 素性1:を 0.64
素性1:家族 0.56 素性1:責任 0.55
素性1:仕事 0.55 素性1:努力 0.52

再現率中の例として,「ほったらかす」と「怠る」という対がある. これらの語は両方,EDR日本語単語辞書で概念識別子に3ce673が与えられており, EDR概念辞書によるとこの識別子は「するべきことをしないで,ほうっておくさま」を意味する.

6.8の「責任」「努力」や正解例2から「怠る」には「するべきことをしないで,ほうっておくさま」の他にも「仕事を怠る」や「精進を怠る」といった意味を持っていることがわかった.また,「ほったらかす」にはそれ以上の意味はなく,「ほったらかす」は「怠る」に言い換えれることが多かった.よって「怠る」と「ほったらかす」は広義と狭義の関係にあると言える. また,テスト文の数に大きな差があり,「怠る」に偏った素性が得られたため,今後の課題としてテスト文を同数にして,実験を行う必要があると考える.



2018-03-09