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再現率中の例「見定める」と「突き止める」

(正解例1)
日本としてはソ連側の真意、出方を慎重に見定めながら、対処することになろう。
(正解例2)
船や飛行機などの位置を正確に突き止める方法として、米国防総省が開発した。
(誤り例1)
アラブ諸国やフランスなどの平和解決の努力の結果も見定めなければならない。
(誤り例2)
同研究所は、この技術で十数人の復顔に成功、五体の白骨死体の身元を突き止めている。




表 6.5: 機械学習の結果(再現率中の例:「見定める」と「突き止める」)
  再現率 適合率 総数
見定める 0.71 0.83 207
突き止める 0.95 0.92 732




表 6.6: 機械学習が参考にした素性(再現率中の例:「見定める」と「突き止める」)
見定める 突き止める
素性 正規化 22#22 素性 正規化 22#22
素性1:判断 0.62 素性1:原因 0.69
素性1:今後 0.62 素性1:事件 0.63
素性1:方向 0.61 素性1:捜査 0.61

再現率中の例として,「見定める」と「突き止める」という対がある. これらの語は両方,EDR日本語単語辞書で概念識別子に3c4b79が与えられており, EDR概念辞書によるとこの識別子は「調べて明らかにする」を意味する.

6.6の「判断」,「今後」,「方向」や正解例1から「見定める」は先の状況を想定し明らかにする場合に使われ,「原因」,「事件」,「捜査」や正解例2から「突き止める」は現在の状況を明らかにする場合に使われることがわかる. よって,この類義語対は使い分けを必要とする傾向にあると考えられる.



2018-03-09