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翻訳精度

本研究において, 人手作成された対訳句を用いたパターンに基づく統計翻訳と対訳句を自動作成するパターンに基づく統計翻訳では, 翻訳精度に大きな差がなかった. 翻訳結果を調査したところ, 鳥バンクを用いたパターンに基づく統計翻訳の``自動作成○”において, 10文中5文は自動作成が鳥バンクを用いたパターンに基づく統計翻訳より変数が少ない文パターンを選択していた. 一方, 鳥バンクを用いたパターンに基づく統計翻訳が自動作成より変数が少ない文パターンを選択していた翻訳文は10文中0文だった. また, 英辞郎を用いたパターンに基づく統計翻訳の``自動作成○”では, 6文中6文が自動作成が英辞郎を用いたパターンに基づく統計翻訳より変数が少ない文パターンを選択していた. よって, 自動作成の翻訳精度が良かった要因として, 人手作成より変数が少ない文パターンを選択していたことが挙げられる.

また, 鳥バンクを用いたパターンに基づく統計翻訳の``人手作成○”において, 対訳句が不自然なために, 自動作成の翻訳精度が悪かったと判断した翻訳文が13文中11文であった. そして, 英辞郎を用いたパターンに基づく統計翻訳の``人手作成○”において, 対訳句が不自然なために, 自動作成の翻訳精度が悪かったと判断した翻訳文が3文中2文であった.

この結果より, 人手作成された対訳句と自動作成で得られた句に基づく文パターン辞書を用いて翻訳を行うことで, 翻訳精度が向上すると考える.

本研究の類似研究として, 統計翻訳において, 対訳コーパスに対訳句コーパスを追加する手法があげられる. Maja Popovi75#75らはセルビア語英語間, スペイン語英語間において, 対訳コーパスに対訳句コーパスを追加し句に基づく統計翻訳を行った[13]. その結果,自動評価結果が向上したと報告されている.


平成27年3月19日