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おわりに

本研究では,対訳コーパスに対訳パターンを追加することで, 翻訳精度の向上を試みた. その際に, 対訳パターンとして, プログラムで自動的に作成した対訳パターンと人手で作成した対訳パターンを使用した. 実験の結果, 翻訳精度の向上が確認できた.

更に, この2種類の対訳パターンを様々なタイプにした対訳パターンを作成し, 同様にパターン追加実験を行った. 全ての品詞変数をNに置換するような簡易的な対訳パターン, 動詞だけは変数化を行わない対訳パターンを作成した. 品詞変数をNに置換するような簡易的な対訳パターンを追加するより, 変数を品詞ごとに決めた対訳パターンを追加するほうが良い結果が得られた. また, 動詞だけは変数化を行わない対訳パターンを追加した場合, 日英翻訳で良い結果が得られた.

プログラムで自動的に作成した対訳パターンと人手で作成した対訳パターンを比較した実験では, 人手評価において, プログラムで自動的に作成した対訳パターンを追加する手法が人手で作成した対訳パターンを追加する手法よりも翻訳精度が良い結果となった. 一方, 人手評価では英日翻訳においては明らかな翻訳精度の向上が確認できたが, 日英翻訳においては差がない結果となった. 翻訳対象である日本語文には存在しない代名詞が英語文では存在している. そのため, PSMTでもHSMTでも日英翻訳の場合, 英日翻訳より精度の向上が見られない原因の一つだと考える.

今後は, この原因を調べ, 変数化する品詞を絞ってパターン追加実験を行っていく.



平成26年3月7日