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「が」「がも」の分析
表4.10の素性に関わる例文を以下に示す.
- 連体単:こと
- これは新進党副党首の羽田孜氏を挙げた議員が少なからずいたことが大きな要因.
- 直後単語:ある
- 厚生省は「晩婚化による比較的高年齢の独身女性層が数年前から結婚し始め, 出産に結び付いたと思われる.第二次ベビーブーム世代の結婚がこれに続けば, 少子化傾向がストップする可能性がある」と分析している.
分析の結果, 係り先の文節の最後の自立語が「こと」である場合,
「が」である場合が多いことがわかった.
これは形式名詞「こと」を使用することで「名詞相当表現+格助詞」という形の補足節を作ることができ,
その補足節の中の主語の格助詞に「が」が用いられることが多いことが要因として考えられる.
またこの他にも, 「外国人の雇用が従来通り認められるのか」や
「本人が新年の辞を発表するかどうか」などの
述部の文節内の最初の自立語の後続部分が「か」である場合は
「が」である場合が多いことがわかった.
直後の単語が「ある」, 述部の文節内の最初の自立語の後続部分が「ない」の場合,
「がも」であることが多いことがわかった.
これは人やものの存在を表す表現である「(場所)ニ格+(存在の主体)ガ格+アル/ナイ」という構文の
ガ格が助詞「も」であることが多いことが要因として考えられる.
また, 否定の事態が当該の対象のすべてについて成り立つことを強調する「疑問語+も」や,
「1+助数辞+も」という構文でガ格の助詞「も」が否定の接辞「ない」と同時に用いられることによると考えられる.
またこの他にも, 「将来への不安から海外に移住する人もいれば、経済の活況にひかれて香港にやってくる中国人や外国人も多い」という
同じ文の対象の文節以外に「がも」が存在する場合や,
解析対象の文節の係り先の文節内の動詞(動詞「する」は除く)のどれか, もしくは全てが前方に存在している場合は,
「がも」になりやすいことがわかった.
平成26年4月2日