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「に」「にも」の分析

4.10の素性に関わる例文を以下に示す.
用全単:対する
漂流する政治対して, 「官」がますます強大になっているように見えます.
共単:接続詞:また
警察当局によると, この化合物はサリン発生後, 土中に残留する物質で, また, この化合物の一種は, サリン生成の際にもできるが, 自然に生成することはないという.
分析の結果, その述部の最初の自立語が「対する」「よる」「つく」などである場合「に」であることが多いことがわかった. これは「に対して」「によって」「について」などが格助詞相当句であるためと思われる. 格助詞相当句とはいくつかの語で構成される句であり, 全体として格助詞に相当する働きをする. またこの他にも, 同じ文中に助詞の「から」という表現がある場合は 「に」になりやすいことがわかった.

文中に接続詞の「また」が存在する場合, 「にも」である場合が多いことがわかった. これは「また$\sim$にも$\sim$」という並列表現が多く使われるためであると思われる. またこの他にも, 述部における最初の自立語が「ある」の場合や, 解析対象の文節内の名詞のどれか, もしくは全てが前方に存在する場合, 「にも」になりやすいことがわかった.



平成26年4月2日