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目次
「を」「をも」の分析
表4.10の素性に関わる例文を以下に示す.
- 格に存在
- 村山内閣となり, 長い懸案だった政治改革, 税制改革, 被爆者援護法など困難な課題に大きな区切りをつけることができた.
- 用形列:ない
- 同日の全国紙「インクワイアラー」によると、例年この時期になると酔っぱらった軍人らが空に向けて銃を発砲することが多く、警察当局は昨年末、銃を発砲した者は逮捕、解任も辞さないと警告.
分析の結果, 文内に助詞「に」, 助詞「が」, 助詞「は」が存在する場合「を」になりやすいことがわかった.
これは相手側へのものの移動を表す動詞を使用するとき「(主体)ガ格+(相手)ニ格+(対象)ヲ格+動詞」や,
使役表現での「ガ格(使役の主体)+ニ格(動きの主体)+ヲ格+動詞の使役形」という構文が使われるため,
助詞「に」, 助詞「が」, 助詞「は」が「を」と同時に使用される場合が多いことによると考えられる.
述部の最初の自立語の後続部分が「ない」である場合や,
助詞の「や」が解析対象の文節以外の文節に存在する場合は「をも」を使用する場合が多いことがわかった.
平成26年4月2日