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属性叙述型

エントリ11のパターンは,主語の前の連体修飾表現がなく,述語の前の連体修飾 表現がある属性叙述型のパターンである.原文は6つで構成する.原文1を例にす ると,主語の「つぶしあん」が変数N1に対応する.助詞の「は」を「が」 に選択処理できるようにし,直後に読点がないが読点を任意化する.述語の前の 連体修飾表現の「抑えた」はMT2で,述語の「甘さ」はN3に対応す る.判定詞はMD4である.主語と述語の意味関係は,述語の「甘さ」に注 目すると,味覚を表す属性表現である.よって,原文1は属性叙述型である.述 語の前の連体修飾表現を注目すると,「抑えた」と程度を表している.今回の属 性は「甘さ」で,属性値を述語の前の連体修飾表現と述語の「抑えた甘さ」とし た.
[
l]エントリ11
[
l]原文
原文1:
つぶしあんは抑えた甘さだ。
原文2:
偽造投票用紙は本物と同じ薄い緑色だ。
原文3:
ステージはたばこの火などでは燃えにくい材質だ。
原文4:
VTRは12・0%増の51万7000台だ。
原文5:
ビールが免許行政下で一物一価だった。
原文6:
自動車は使用者に多くの便益を与えるが、反面、生命・健康・安全などの市民の基本的権利を侵害する存在である。
[
l]パターン
パターン:
$ /\mathit{N}1(は\vertが)[、]/\mathit{MT}2\,\mathit{N}3\,\mathit{MD}4$
[
l]選択条件
主語前:
F
[
l]応用情報
型名:
属性叙述型
実体:
N1
属性:
N3
属性値:
MT2N3
 

エントリ12のパターンは,主語の前の連体修飾表現,述語の前の連体修飾表現と もに存在する属性叙述型のパターンである.原文は4つで構成する.原文1を例に すると,主語の前の連体修飾表現の「前に垂れた」が変数MT1で,主語の 「帯」がN2に対応する.助詞の「は」を「が」に選択処理できるようにし, 直後に読点はないが読点を任意化する.述語の前の連体修飾表現の「鯉の滝昇り の」はMT3で,述語の「図」がN4に対応する.判定詞はMD5 である.主語と述語の意味関係は,述語に注目すると,「図」であり,広い意味 を持つが,述語の前の連体修飾表現から「鯉の滝昇り」を描画しているという属 性表現とわかる.主語は,「帯」なので上位下位の関係は成り立たない. 属性は主語の「図」で,属性値は述語の前の連体修飾表現と述語の「鯉の滝昇り の図」とした.
[
l]エントリ12
[
l]原文
原文1:
前に垂れた帯は鯉の滝昇りの図だ。
原文2:
日本の海運会社が運航している外航貨物船はおよそ二千隻だ。
原文3:
建設省のキャッチフレーズになった「住宅」は、九五年度予算、九六年度要求予算ともに、一七・六%と同じシェアだ。
原文4:
初期の自動車は手作りであるため非常に高価なものであり、貴族や大金持ちだけが所有できるものであった。
[
l]パターン
パターン:
$ /\mathit{MT}1\,\mathit{N}2(は\vertが)[、]/\mathit{MT}3\,\mathit{N}4\,\mathit{MD}5$
[
l]選択条件
主語前:
T
[
l]応用情報
型名:
属性叙述型
実体:
N2
属性:
N4
属性値:
MT3N4
 

エントリ13のパターンは,エントリ12と同様に主語の前の連体修飾表現,述語の 前の連体修飾表現ともに存在する属性叙述型のパターンであるが,述語の「図」 は広い意味を持つため具体性が低いと判断し,述語を字面に残すパターンを作成 する.原文は1つで構成する.原文を例にすると,主語の前の連体修飾表現の 「前に垂れた」が変数MT1で,主語の「帯」がN2に対応する.助詞 の「は」を「が」に選択処理できるようにし,直後に読点はないが読点を任意化 する.述語の前の連体修飾表現の「鯉の滝昇りの」はMT3に対応し,述語 の「図」を字面に残す.判定詞はMD4である.主語と述語の意味関係は, 述語に注目すると,「図」であり,広い意味を持つが,述語の前の連体修飾表現 から「鯉の滝昇り」を描画しているという属性表現とわかる.主語は,「帯」な ので上位下位の関係は成り立たない.属性は主語の「図」で,属性値は述語の前 の連体修飾表現と述語の「鯉の滝昇りの図」とした.
[
l]エントリ13
[
l]原文
原文:
前に垂れた帯は鯉の滝昇りの図だ。
[
l]パターン
パターン:
$ /\mathit{MT}1\,\mathit{N}2(は\vertが)[、]/\mathit{MT}3\,図\,\mathit{MD}4$
[
l]選択条件
主語前:
T
[
l]応用情報
型名:
属性叙述型
実体:
N2
属性:
属性値:
MT3図
 

エントリ14のパターンは,主語の前の連体修飾表現,述語の前の連体修飾表現と もに存在しない属性叙述型のパターンである.原文は3つで構成する.原文1を例 にすると,主語の「タンク」が変数N1に対応する.助詞の「は」を「が」 に選択処理できるようにし,直後に読点はないが読点を任意化する.述語の「グ ラスファイバー製」がN2に対応する.判定詞はMD3である.主語と 述語の意味関係は,述語を注目すると「〜製」と材料を表す属性表現である. 述語の前の連体修飾表現はないので,属性,属性値ともに「グラスファイバー製」 を指す.
[
l]エントリ14
[
l]原文
原文1:
タンクはグラスファイバー製だ。
原文2:
カレーは三百円だ。
原文3:
実験器具は実費だ。
[
l]パターン
パターン:
$ /\mathit{N}1(は\vertが)[、]/\mathit{N}2\,\mathit{MD}3$
[
l]選択条件
主語前:
F
[
l]応用情報
型名:
属性叙述型
実体:
N1
属性:
N2
属性値:
N2
 

エントリ15のパターンは,は格の主語の前に連体修飾表現のあるはが構文のパター ンで,型名は属性叙述型である.原文は1つで構成する.原文を例にすると,は 格の主語の前の連体修飾表現「車体の強度部材に用いられる」が変数MT1 で,主語の「材料」がN2に対応する.助詞の「は」を字面に残し,が格の 主語の前の連体修飾表現である「鋼鉄」がN3に対応する.直後の助詞の 「が」を字面に残す.述語の「主流」をN4にに対応する.判定詞はMD5である.主語と述語の意味関係は,述語を注目すると,「主流」は,ここで は「大多数」などの意味を持つ属性表現である.属性は「主流」で,属性値は 「鋼鉄」を指す.
[
l]エントリ15
[
l]原文
原文:
車体の強度部材に用いられる材料は鋼鉄が主流で、近年ではアルミニウム合金や炭素繊維強化プラスチックなどの複合材料を用いたものも市販されるようになってきている。
[
l]パターン
パターン:
$ /\mathit{MT}1\,\mathit{N}2は/\mathit{N}3が\mathit{N}4\,\mathit{MD}5$
[
l]選択条件
主語前:
T
[
l]応用情報
型名:
属性叙述型
実体:
N2
属性:
N4
属性値:
N3
 

エントリ16のパターンは,はが構文であり,は格の主語の前の連体修飾表現,が 格の主語の前の連体修飾表現ともに存在する属性叙述型のパターンである.原文 は2つで構成する.原文1を例とすると,は格の主語の前の連体修飾表現「運転者 の」が変数MT1で,は格の主語「座席」がN2に対応する.直後の助 詞の「は」を字面に残す.が格の主語の前の連体修飾表現「椅子形の」がMT3で,が格の主語「もの」がN4に対応する.直後の助詞の「が」を字面 に残す.述語の「主流」がN5に対応する.判定詞はMD6である. 主語と述語の意味関係は,述語を注目すると,「主流」は,ここでは「大多数」 などの意味を持つ属性表現である.属性は「主流」で,属性値は「椅子形のもの」 を指す.
[
l]エントリ16
[
l]原文
原文1:
運転者の座席は座部と背もたれを備えた椅子形のものが主流である。
原文2:
駐車ブレーキを操作する装置は、レバーを引き上げる方式のものが主流であるが、古いトラックやワンボックスカーでは杖状のレバーを車体前方の奥から手前に引き寄せる方式のものもある。
[
l]パターン
パターン:
$ /\mathit{MT}1\,\mathit{N}2は[、]/\mathit{MT}3\,\mathit{N}4が\mathit{N}5\,\mathit{MD}6$
[
l]選択条件
主語前:
T
[
l]応用情報
型名:
属性叙述型
実体:
N2
属性:
N5
属性値:
MT3N4
 


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2015-03-14