表8.3〜8.6より,RMT+HSMTやRMT+PSMTよりも,RMTのみの翻訳が優れていることが確認できる. また,表8.7,8.8より,RMT+HSMTは,HSMTのみの翻訳よりも優れていることが分かった. したがって,統計翻訳手法を用いて翻訳する際には,前処理としてRMTを用いることは有効である. しかし,翻訳の精度はRMT単体で用いた方が高くなると考えられる.
句に基づく統計翻訳や階層型統計翻訳は句の対応で翻訳を行っている. 後処理の句の対応付けを誤ることが原因で,翻訳精度を悪くしている例が多くあった. 翻訳例は,付録の表A.1〜A.24に示す. そのため,より正しい句を選出する統計翻訳手法が必要であると考えている.
また,RMT+PSMT対RMTの対比較評価とRMT+HSMT対RMTの対比較評価結果は,自動評価と逆転する結果となった. この矛盾は自動評価の問題点を示していると考えている. より人手評価の結果に近い評価を行う自動評価法の検討が必要である.