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「に・へ」の使い分け

素性の取捨に基づく分析の結果,「に・へ」の分類の際に素性群「述部$V$,体言の文節$N$,共起,係り先N,N以外体言,品詞,直,文脈情報」が有効であるとわかった. また,頻度分析による素性分析の結果,「述部$V$,直,共起,体言の文節$N$,分類」の各ルールは10以上獲得できた.これらは素性として有効であると予測される. 2.3.2節で説明した先行研究では,「へ」の使い分けのルールに「$A$から$B$へ」が挙げられている. 本研究の頻度分析による素性分析の結果から,「から」が文に出現した場合「へ」なりやすいことがわかっている(確率:355,頻度:0.802).この結果は先行研究と一致している. また,両分析の共通する素性は「述部$V$,体言の文節$N$,共起,直」であることがわかった. 「に・へ」の使い分けが必要な文の比率の調査から,10文に9文は使い分けが 必要であることがわかった. 「に・へ」の使い分けの課題としては,分析時のデータを増加させることによって さらに有用な素性の分析を行う必要がある.

平成25年2月12日