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正解データの作成

正解データの作成者は,本研究室の学生5名である. 作成者をそれぞれ,a者〜e者と呼ぶ. 各作成者には,1文単位で,入力文,および,情緒主と関連事物との関係の説明文を与える. これらから,作成者が情緒を1種類推定し,正解データとする. 9分類系,5分類系,3分類系それぞれに対して,正解データを作成する. 各分類系は,以下の通りである.

9分類系:
《喜び》,《悲しみ》,《好ましい》,《嫌だ》,《期待》,《恐れ》
       《怒り》,《驚き》,《なし》
5分類系:
$P$(喜び,好ましい,期待)》,《$N$(悲しみ,恐れ)》,《$A$(嫌だ,怒り)》,
       《$S$(驚き)》,《なし》
3分類系:
$Positive$(喜び,好ましい,期待)》,
       《$Negative$(悲しみ,恐れ,嫌だ,怒り)》,《なし(驚き,なし)》

5人分の正解データがあるので, のべ540文での実験である.

また,kappa値を用いて5名の作成者間の推定した情緒の一致率を評価する. 5名の作成者から2名を選出する組合せは10通りある. まず,それぞれの組合せに対し,2名の作成者間のkappa値を求める. 求めたkappa値を合計し,組合せ数である10で割ることで平均を求める. 求めた作成者2者間の平均を,5名の作成者間のkappa値とする. その結果,$\kappa$=0.43(9分類),$\kappa$=0.58(5分類),$\kappa$=0.79(3分類)であった.

6.1に実験で用いた入力文, および,情緒主と関連事物との関係, 作成者a者〜e者の推定の一部を示す.

たとえば,#1では5人全員が《喜び》を推定している. #98では,a者とd者が《悲しみ》を推定し, b者とe者が《嫌だ》を, c者が《怒り》をそれぞれ付与している. #1のように,全員が同一の情緒を推定することもあれば, #98のように複数の種類に意見が分かれたりすることもある.


表: 正解データ(一部)
\scalebox{0.65}[0.65]{
\begin{tabular}{\vert l\vert p{4.0cm}\vert p{4.0cm}\vert ...
...(花子は仲良くしたいもの) & & b,c,d,e & a & & & & & & \\
\hline
\end{tabular}}




平成25年2月12日