5人分の正解データがあるので, のべ540文での実験である.
また,kappa値を用いて5名の作成者間の推定した情緒の一致率を評価する. 5名の作成者から2名を選出する組合せは10通りある. まず,それぞれの組合せに対し,2名の作成者間のkappa値を求める. 求めたkappa値を合計し,組合せ数である10で割ることで平均を求める. 求めた作成者2者間の平均を,5名の作成者間のkappa値とする. その結果,=0.43(9分類),=0.58(5分類),=0.79(3分類)であった.
表6.1に実験で用いた入力文, および,情緒主と関連事物との関係, 作成者a者〜e者の推定の一部を示す.
たとえば,#1では5人全員が《喜び》を推定している. #98では,a者とd者が《悲しみ》を推定し, b者とe者が《嫌だ》を, c者が《怒り》をそれぞれ付与している. #1のように,全員が同一の情緒を推定することもあれば, #98のように複数の種類に意見が分かれたりすることもある.