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分類2「適切な用言受動パターンの作成不足」

以下に誤り事例を示す.
入力文:その囚人は終身刑を言い渡された。
出力文:出力なし
正解文:その囚人に終身刑を言い渡す。

入力文に対して出力文を得ることができなかった.「言い渡す」の受動パターン を参照したところ次の通りであった.

能動パターン: $N1は N2を 言い渡す$
意味属性制約: $N1(4人) N2(“判決”)$

名詞変数$N1$の助詞が「は」となっており,表6.1の条件パターンに該当 しないため,受動パターンが作成されていなかった.本研究で使用した変換規則 では対応できず,パターンごろに受動パターンを作成しなければならない.

また,「言い渡す」という能動パターンには,入力文の「囚人」に対応する格要素 が存在しない.正解文の出力を得るためには,「囚人」に対応する格要素を追加 した以下に示すパターン対が必要となるが,次は新たに「分類6,格要素の個数 に変化を要する」問題へと転化する.

能動パターン: $N1は N2を \sharp 1[N3に/へ] 言い渡す$
受動パターン: $N1から/によって N2が/を \sharp1[N3が/に/へ] '言い渡す'.reru$
意味属性制約: $N1(4人) N2(“判決”) N3(*)$



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平成22年2月11日