以下に誤り事例を示す.
(2a) | 入力文:彼は刑事から怪しまれる。 |
出力文:刑事から [φが 彼を怪しむ]。 | |
正解文:刑事が彼を怪しむ。 |
以下に使用されたパターンを示す.
能動パターン:
![]() |
受動パターン:
![]() |
意味属性制約:![]() |
使用された受動パターンの変数と
の助詞には,助詞「から」が
どちらにも存在しない.そのため,名詞「刑事」が受動パターンの名詞変数と照合
されなかった.
入力文が受動パターンと正しく対応するためには,「」ではなく「
」
が受動パターンに必要である.
同様に誤り事例を示す.
(2b) | 入力文:金閣は義満によって建てられる。 |
出力文:義満によって [φが 金閣を φに/へ 建てる]。 | |
正解文:義満が金閣を建てる。 |
以下に使用したパターンを示す.
能動パターン:
![]() |
受動パターン:
![]() |
意味属性制約:
![]() |
![]() |
(2a)と同様に,受動パターンの各変数の助詞に,複合助詞「によって」が存在しな
い.そのため,名詞「義満」が受動パターンの名詞変数と照合されなかった.
入力文が受動パターンと正しく対応するためには,「に」ではなく「
によっ
て」が受動パターンに必要である.
以上(2a)と(2b)により表1の変換規則に改良するべき点が示された.