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分類1「形態素解析の誤り」

以下に誤り事例を示す.

入力文:日本の領空は外国機に飛ばれる。
出力文:外国機に [φが 日本の領空を φから/より φへ/に/まで 飛ぶ]。
正解文:外国機が日本の領空を飛ぶ。

出力文の括弧内は,受動パターンが適合した範囲を表す.「$\phi$」は結合価パ ターンの格要素に名詞が照合されていないことを表す.

入力文の「外国機」は,能動文でのガ格の名詞として解析されるべきである. しかし,実際の出力ではそのようになっていない.そこで使用したパターン を参照すると,次の通りであった.

能動パターン: $N1が N2を N3から/より N4へ/に/まで 飛ぶ$
受動パターン: $N1に N2が N3から/より N4へ/に/まで '飛ぶ'.reru$
意味属性制約: $N1(3主体 536動物(個体) 990乗り物(本体(移動(空圏))))$
$N2(388場所 2610場) N3(388場所 2610場) N4(388場所 2610場)$

上記に示される助詞の対応では,入力文の「外国機」は受動パターンの 変数$N1$または$N4$が選択候補となり,意味属性制約により変数$N1$の名詞として 適合されるべきである.しかし,名詞の形態素解析の結果を参照したところ,次の通り となっていた.

/外国(1100,NI:385,NI:463)
+機(6280,NI:2595,NI:2588)

「機」は接尾辞として解析されており,一般意味属性番号の2595,2588が付与さ れた.これらは「単位」,「個数・回数等」を意味する.したがって, 「飛行機」という意味で解析されておらず,形態素解析における名 詞意味属性の付与誤りであることがわかった.これは変換規則では対応できない.



平成22年2月11日