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フレーズ対に問題があった場合

8.5に日英対訳フレーズ辞書に登録されているフレーズ対に問題があった場合の翻訳例を示す.


表: フレーズ対に問題があった場合の翻訳例
入力文 彼 の 家 は どこ か この あたり に ある 。
ベースライン His house is somewhere in this area .
提案手法 His house is somewhere vicinity here .
パターン His house is somewhere vicinity here .
日文パターン X1[3] は どこ か この X2[2] に X3[2] 。
英文パターン X1 X3 somewhere X2 here .
日本語原文 彼 の 家 は どこ か この 辺り に ある 。
英語原文 His house is somewhere around here .
参照文 His house is somewhere about here .

8.5から,入力文に対して適合した文パターンは適切である.しかし,日本語フレーズ``あたり''の翻訳について,英語フレーズ``vicinity''と翻訳されている.ここで,日英対訳フレーズ辞書のフレーズ対を確認すると,``あたり''に対して,英語フレーズ``vicinity''と``FSX''と``hovers''の3種類のフレーズ対が存在していた.しかし,どの英語フレーズについても,``あたり''に対して適切なフレーズではないと言える.`

このことから日英対訳フレーズ辞書に登録されているフレーズ対が不適切である場合に誤翻訳される可能性が高くなると考えられる.したがって,日英対訳フレーズ辞書に不適切なフレーズ対を登録しないために,品詞タグの利用などによって,この問題に対処できると考えられる.



平成24年3月23日