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適切なフレーズ対の増加

適切なフレーズ対が増加したため,提案手法の翻訳精度が向上した例を表9.2から表9.11に示す.

表: 提案手法が優れていると判断した例1(従来手法との比較)
入力文 この 仕事 は 細心 の 注意 を 要する 。
参照文 This work needs close attention .
従来手法 This task requires a 細心 attention .
提案手法 This task requires a religious attention to detail .
 
使用されたフレーズ
先行研究 提案手法
この 仕事 12#12 This Task この 仕事 12#12 This Task
要する 12#12 requires を 要する 12#12 requires
は 12#12 a は 12#12 a
細心 12#12 細心 細心 の 注意 12#12 religious attention to detail
の 注意 を 12#12 。 12#12 .
。 12#12 .  

この例では,従来手法において,``細心''が未知語として出力されている.一方で,提案手法では,``細心''は未知語として出力されていない.この原因は,従来手法のフレーズテーブルには``細心''に対するフレーズ対が存在しないことであった.一方で,提案手法では,DPマッチングにより,``細心の注意'',``religious attention todetail''という翻訳対をフレーズテーブルに追加できたため,未知語として出力されなかった.よって,この例では提案手法が有効であった. 0

表: 提案手法が優れていると判断した例2(従来手法との比較)
入力文 難局 を 収拾 する 道 は それ しか ない 。
参照文 It is the only way to save the difficult situation .
従来手法 難局 収拾 only the way it .
提案手法 The only way that save a difficult situation .
 
使用されたフレーズ
先行研究 提案手法
難局 12#12 難局 は 12#12 The
収拾 12#12 収拾 しか ない 12#12 only
しか ない 12#12 only 道 12#12 way
を 12#12 the それ 12#12 that
する 道 12#12 way 難局 を 収拾 する 12#12 save a difficult situation
は それ 12#12 it 。 12#12 .
。 12#12 .  

この例では,従来手法において,``収拾''が未知語として出力されている.一方で,提案手法では,``収拾''は未知語として出力されていない.この原因は,従来手法のフレーズテーブルには``収拾''に対するフレーズ対が存在しないことであった.一方で,提案手法では,DPマッチングにより,``難局を収拾する'',``save a difficult situation''という翻訳対をフレーズテーブルに追加できたため,未知語として出力されなかった.よって,この例では提案手法が有効であった.


表: 提案手法が優れていると判断した例2(従来手法との比較)
入力文 きょう は バスケットボール の 練習 が ある 。
参照文 Today we have basketball practice .
従来手法 There is a basketball for the today .
提案手法 There is a basketball practice today .
 
使用されたフレーズ
先行研究 提案手法
が ある 12#12 There is が ある 12#12 There is a
は 12#12 a バスケットボール の 練習 12#12 basketball practice
バスケットボール 12#12 basketball きょう は 12#12 today
の 練習 12#12 for the 。 12#12 .
きょう 12#12 today  
。 12#12  

この例では,従来手法において,``の練習'',``for the''という不適切なフレーズが使用されている.しかし,従来手法のフレーズテーブルには``の練習'',``plactice''というフレーズ対が存在し,確率はこのフレーズ対の方が高い.しかし,言語モデルによるスコア付けやフレーズに対するペナルティーにより,``の練習'',``for the''の方が高くなるため,従来手法では誤った英単語を出力している.一方で,提案手法では,DPマッチングにより,``バスケットボールの練習'',``basketball practice''という翻訳対をフレーズテーブルに追加でき,その確率が高かったため,言語モデルによるスコア付けでも高いスコアを保つことができ,誤った英単語を翻訳として出力しなかったと考えられる.よって,この例では提案手法が有効であった.


表: 提案手法が優れていると判断した例3(従来手法との比較)
入力文 この 国 で は 情報 は 自由 に 流れる 。
参照文 In this country data flows freely .
従来手法 Information flows in this country is at .
提案手法 Information flows in this country free .
 
使用されたフレーズ
先行研究 提案手法
情報 は 12#12 Infomation 情報 は 12#12 Infomation
流れる 12#12 flows 流れる 12#12 flows
この 国 で は 12#12 in this country この 国 で は 12#12 in this country
自由 に 12#12 is at 自由 に 12#12 free
。 12#12 . 。 12#12 .

この例では,従来手法において,``自由に'',``is at''という不適切なフレーズが使用されている.しかし,従来手法のフレーズテーブルには``自由に'',``freely''というフレーズ対が存在し,確率はこのフレーズ対の方が高い.しかし,言語モデルによるスコア付けの際,``自由に'',``is at''の方が高くなるため,従来手法では誤った英単語を出力している.一方で,提案手法では,DPマッチングにより,``自由に'',``free''という翻訳対をフレーズテーブルに追加でき,その確率が高かったため,言語モデルによるスコア付けでも高いスコアを保つことができ,誤った英単語を翻訳として出力しなかったと考えられる.よって,この例では提案手法が有効であった.


表: 提案手法が優れていると判断した例4(従来手法との比較)
入力文 アメリカ や イギリス で は 、 第 一 次 世界 大戦 の とき に 、
燃料 の 節約 を 目的 に 導入 さ れ た 。
参照文 The United States and Britain introduced the system
during World War I to conserve fuel .
従来手法 In the United States and Britain ,
at the end of World War was introduced to save and fuel .
提案手法 In the United States and Britain ,
at the end of World War I was introduced to save and fuel .
 
使用されたフレーズ
先行研究 提案手法
で は 12#12 In the で は 12#12 In the
アメリカ や イギリス 12#12 United States and Britain アメリカ や イギリス 12#12 United States and Britain
、 12#12 , 、 12#12 ,
の とき に 12#12 at の とき に 12#12 at
を 12#12 the を 12#12 the
目的 12#12 end 目的 12#12 end
の 12#12 of の 12#12 of
第 一 次 世界 大戦 12#12 World War 第 一 次 世界 大戦 12#12 World War I
に 導入 さ れ た 12#12 was introduced to に 導入 さ れ た 12#12 was introduced to
節約 12#12 save 節約 12#12 save
、 燃料 12#12 and fuel 、 燃料 12#12 and fuel
。 12#12 . 。 12#12 .

この例では,従来手法において,``第一次世界大戦'',``World War''という適切なフレーズが使用されている.一方で,提案手法では,DPマッチングにより,``第一次世界大戦'',``World War I''というより適切な翻訳対をフレーズテーブルに追加できた,しかし,その確率は従来手法のフレーズ対に比べ低かった.しかし,言語モデルによるスコア付けにおいて,高いスコアを保つことができたため,提案手法の翻訳対を用いた翻訳が出力されたと考えられる.よって,この例では提案手法が有効であった.


表: 提案手法が優れていると判断した例5(先行研究との比較)
入力文 きょう は バスケットボール の 練習 が ある 。
参照文 Today we have basketball practice .
先行研究 There is a basketball for the today .
提案手法 There is a basketball practice today .
 
使用されたフレーズ
先行研究 提案手法
が ある 12#12 There is が ある 12#12 There is a
は 12#12 a バスケットボール の 練習 12#12 basketball practice
バスケットボール 12#12 basketball きょう は 12#12 today
の 練習 12#12 for the 。 12#12 .
きょう 12#12 today  
。 12#12  

この例では,先行研究において,``の練習'',``for the''という不適切なフレーズが使用されている.しかし,先行研究のフレーズテーブルには``の練習'',``plactice''というフレーズ対が存在し,確率はこのフレーズ対の方が高い.しかし,言語モデルによるスコア付けやフレーズに対するペナルティーにより,``の練習'',``for the''の方が高くなるため,先行研究では誤った英単語を出力している.一方で,提案手法では,DPマッチングにより,``バスケットボールの練習'',``basketball practice''という翻訳対をフレーズテーブルに追加でき,その確率が高かったため,言語モデルによるスコア付けでも高いスコアを保つことができ,誤った英単語を翻訳として出力しなかったと考えられる.よって,この例では提案手法が有効であった.


表: 提案手法が優れていると判断した例6(先行研究との比較)
入力文 この 国 で は 情報 は 自由 に 流れる 。
参照文 In this country data flows freely .
先行研究 Information flows in this country is at .
提案手法 Information flows in this country free .
 
使用されたフレーズ
先行研究 提案手法
情報 は 12#12 Information 情報 は 12#12 Information
流れる 12#12 flows 流れる 12#12 flows
この 国 で は 12#12 in this country この 国 で は 12#12 in this country
自由 に 12#12 is at 自由 に 12#12 free
。 12#12 . 。 12#12

この例では,先行研究において,``自由に'',``is at''という不適切なフレーズが使用されている.しかし,先行研究のフレーズテーブルには``自由に'',``freely''というフレーズ対が存在し,確率はこのフレーズ対の方が高い.しかし,言語モデルによるスコア付けの際,``自由に'',``is at''の方が高くなるため,先行研究では誤った英単語を出力している.一方で,提案手法では,DPマッチングにより,``自由に'',``free''という翻訳対をフレーズテーブルに追加でき,その確率が高かったため,言語モデルによるスコア付けでも高いスコアを保つことができ,誤った英単語を翻訳として出力しなかったと考えられる.よって,この例では提案手法が有効であった.


表: 提案手法が優れていると判断した例7(先行研究との比較)
入力文 アメリカ や イギリス で は 、 第 一 次 世界 大戦 の とき に 、
燃料 の 節約 を 目的 に 導入 さ れ た 。
参照文 The United States and Britain introduced the system
during World War I to conserve fuel .
従来手法 In the United States and Britain ,
at the end of World War was introduced to save and fuel .
提案手法 In the United States and Britain ,
at the end of World War I was introduced to save and fuel .
 
使用されたフレーズ
先行研究 提案手法
で は 12#12 In the で は 12#12 In the
アメリカ や イギリス 12#12 United States and Britain アメリカ や イギリス 12#12 United States and Britain
、 12#12 , 、 12#12 ,
の とき に 12#12 at の とき に 12#12 at
を 12#12 the を 12#12 the
目的 12#12 end 目的 12#12 end
の 12#12 of の 12#12 of
第 一 次 世界 大戦 12#12 World War 第 一 次 世界 大戦 12#12 World War I
に 導入 さ れ た 12#12 was introduced to に 導入 さ れ た 12#12 was introduced to
節約 12#12 save 節約 12#12 save
、 燃料 12#12 and fuel 、 燃料 12#12 and fuel
。 12#12 . 。 12#12 .

この例では,先行研究において,``第一次世界大戦'',``World War''という適切なフレーズが使用されている.一方で,提案手法では,DPマッチングにより,``第一次世界大戦'',``World War I''というより適切な翻訳対をフレーズテーブルに追加できた,しかし,その確率は先行研究のフレーズ対に比べ低かった.しかし,言語モデルによるスコア付けにおいて,高いスコアを保つことができたため,提案手法の翻訳対を用いた翻訳が出力されたと考えられる.よって,この例では提案手法が有効であった.

表: 追加実験が優れていると判断した例8(追加実験と先行研究の比較)
入力文 きょう は バスケットボール の 練習 が ある 。
参照文 Today we have basketball practice .
先行研究 There is a basketball for the today .
追加実験 There is a basketball practice today .
 
使用されたフレーズ
先行研究 提案手法
が ある 12#12 There is が ある 12#12 There is a
は 12#12 a バスケットボール の 練習 12#12 basketball practice
バスケットボール 12#12 basketball きょう は 12#12 today
の 練習 12#12 for the 。 12#12 .
きょう 12#12 today  
。 12#12  

この例では,先行研究において,``の練習'',``for the''という不適切なフレーズが使用されている.しかし,先行研究のフレーズテーブルには``の練習'',``plactice''というフレーズ対が存在し,確率はこのフレーズ対の方が高い.しかし,言語モデルによるスコア付けやフレーズに対するペナルティーにより,``の練習'',``for the''の方が高くなるため,先行研究では誤った英単語を出力している.一方で,追加実験では,DPマッチングにより,``バスケットボールの練習'',``basketball practice''という翻訳対をフレーズテーブルに追加でき,その確率が高かったため,言語モデルによるスコア付けでも高いスコアを保つことができ,誤った英単語を翻訳として出力しなかったと考えられる.よって,この例では追加実験が有効であった.

表: 追加実験が優れていると判断した例9(追加実験と先行研究の比較)
入力文 この 国 で は 情報 は 自由 に 流れる 。
参照文 In this country data flows freely .
先行研究 Information flows in this country is at .
追加実験 Information flows in this country free .
 
使用されたフレーズ
先行研究 提案手法
情報 は 12#12 Infomation 情報 は 12#12 Infomation
流れる 12#12 flows 流れる 12#12 flows
この 国 で は 12#12 in this country この 国 で は 12#12 in this country
自由 に 12#12 is at 自由 に 12#12 free
。 12#12 . 。 12#12 .

この例では,先行研究において,``自由に'',``is at''という不適切なフレーズが使用されている.しかし,先行研究のフレーズテーブルには``自由に'',``freely''というフレーズ対が存在し,確率はこのフレーズ対の方が高い.しかし,言語モデルによるスコア付けの際,``自由に'',``is at''の方が高くなるため,先行研究では誤った英単語を出力している.一方で,追加実験では,DPマッチングにより,``自由に'',``free''という翻訳対をフレーズテーブルに追加でき,その確率が高かったため,言語モデルによるスコア付けでも高いスコアを保つことができ,誤った英単語を翻訳として出力しなかったと考えられる.よって,この例では追加実験が有効であった.

表: 追加実験が優れていると判断した例10(追加実験と先行研究の比較)
入力文 アメリカ や イギリス で は 、 第 一 次 世界 大戦 の とき に 、
燃料 の 節約 を 目的 に 導入 さ れ た 。
参照文 The United States and Britain introduced the system
during World War I to conserve fuel .
先行研究 In the United States and Britain ,
at the end of World War was introduced to save and fuel .
追加実験 In the United States and Britain ,
at the end of World War I was introduced to save and fuel .
 
使用されたフレーズ
先行研究 提案手法
で は 12#12 In the で は 12#12 In the
アメリカ や イギリス 12#12 United States and Britain アメリカ や イギリス 12#12 United States and Britain
、 12#12 , 、 12#12 ,
の とき に 12#12 at の とき に 12#12 at
を 12#12 the を 12#12 the
目的 12#12 end 目的 12#12 end
の 12#12 of の 12#12 of
第 一 次 世界 大戦 12#12 World War 第 一 次 世界 大戦 12#12 World War I
に 導入 さ れ た 12#12 was introduced to に 導入 さ れ た 12#12 was introduced to
節約 12#12 save 節約 12#12 save
、 燃料 12#12 and fuel 、 燃料 12#12 and fuel
。 12#12 . 。 12#12 .

この例では,先行研究において,``第一次世界大戦'',``World War''という適切なフレーズが使用されている.一方で,追加実験では,DPマッチングにより,``第一次世界大戦'',``World War I''というより適切な翻訳対をフレーズテーブルに追加できた,しかし,その確率は先行研究のフレーズ対に比べ低かった.しかし,言語モデルによるスコア付けにおいて,高いスコアを保つことができたため,追加実験の翻訳対を用いた翻訳が出力されたと考えられる.よって,この例では追加実験が有効であった.


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平成24年3月23日