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情緒の原因

文献[7]では前節で述べた基本情緒8種類の情緒に対して,情緒原因 の特徴が階層的に定義されている.階層構造の中では,下位の特徴は上位の特徴 を継承しながらより具体的な特徴となっている. 図2.4に《悲しみ》の一例を示す.
図 2.4: 《悲しみ》の情緒原因の特徴フレーム
\begin{figure}\begin{center}
\begin{tabular}{lr}
\hline
(悲しみ: 現状態は前小..
...見放す)))\\
\quad その他)\\
\hline
\end{tabular}
\end{center}\end{figure}

例えば,《悲しみ》の生起する状態として$<$現状態は前状態よりも不都合である $>$ という特徴がある.これは最も抽象的な特徴であり,最上位特徴と呼ばれる. 最上位特徴の一段下は$<$生理的$>$$<$心理的$>$ に 分類される.さらに,$<$心理的$>$ の一段下は$<$目標実現$>$$<$対人関係$>$ に分類さ れる.また,$<$目標実現$>$ の一段 下に3つの情緒原因があり,$<$対人関係$>$ の一段下に2つの情緒原因がある.例え ば,$<$喪失$>$ の特徴は「目標実現に必要な物事をなくした」であるので,上位特 徴と比べた場合に,より具体的であることが分かる.


平成22年2月11日