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提案方法

3.7に誤差修正方法を組み込んだ提案方法のフローチャートを示す.

図 3.7: 提案方法のフローチャート
\fbox{\includegraphics[width=0.7\hsize,clip]{flow-teian-2.eps}}

提案方法を具体的に以下に示す. ATRのラベルから得られる音節境界位置を用いて音節開始位置・終了位置を得る. 音節素片全体の波長を窓長としてFFT(離散高速フーリェ変換)を行う.FFTによっ て得られるパワーが最大時の周波数$F_{max}$における1周期の波長(ms)を求める. 求めた波長には誤差が含まれるため,1周期の近傍の波長を窓長としてDFT(離散 フーリェ変換)を行う.具体的には,求めた波長を約0.0625ms刻みで最大0.5msま で増減させ,計17種類の窓長で,音節素片の音節開始位からDFTを行う. DFTの結果から得られるパワーが最大時の周波数$F_{max}$における初期位相をそ れぞれの窓長に対して求める.それぞれの初期位相$\phi$を ``-$\frac{\pi}{2}$''にするように音節開始位置を変更する.初期位相 ``-$\frac{\pi}{2}$''は音声波形の振幅が``-''から``+''に変わる点である. $変更する時間幅Tは
T=\frac{\frac{1}{F_{max}}*P_{0}}{2\pi}$になる. また,初期位相$\phi$は連続値で扱うので,サンプリング周波数16kHzの音声で 音節開始位置を変更するため,音節開始位置の変更値は約0.0625ms毎の離散値に なる.それぞれの音節開始位置の中から振幅が最も0に近い音節開始位置を選択 する.



平成23年3月16日