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周波数の誤差修正

3.2節の方法において,音節素片全体の窓長に対して高速フーリエ変 換を行うと,パワー最大の周波数を算出すると誤差が含まれる[3]. フーリエ変換では,窓長が,1周期の整数倍の波長でなければ誤差が発生する. 図3.5と図3.6に具体例として「免除 /me/N/jo/」の/me/ の音声波形を示す.図3.5において,□で囲まれた波形は「免除 /me/N/jo/」の/me/における音声波形1周期を示している.1周期ちょうどの波形 に対して離散フーリエ変換を行う場合,周波数が正しく算出される.しかし,図 3.5において,□で囲まれた波形は「免除 /me/N/jo/」の/me/におけ る音声波形1周期ではない.1周期ではない波形に対して離散フーリエ変換を行う 場合,周波数に誤差が生じる.そのため,窓長を1周期の整数倍にする必要があ る.そこで,誤差修正方法として,求めた波長の1周期の近傍の波長を窓長とし てDFT(離散フーリェ変換)を行う.具体的には,求めた波長を約0.0625ms刻みで 最大0.5msまで増減させ,計17種類の窓長で,離散フーリエ変換を行い,振幅が 最も0に近い音節開始位置を選択することで誤差の修正を試みる.この修正方法 を含めた音節境界位置変更手順を提案方法とする.具体的な修正方法は,第 3.4に記載する.

図 3.5: 「免除 /me/N/jo/」の/me/
\fbox{\includegraphics[width=0.8\hsize,clip]{fyn14797_meNjo-me_gosa.eps}}
図 3.6: 「免除 /me/N/jo/」の/me/(誤差)
\fbox{\includegraphics[width=0.8\hsize,clip]{fyn14797_meNjo-me_gosa2.eps}}
 



平成23年3月16日