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判断情報知識ベース

Webから大量の情緒の生起する原因となる文(以下,原因文) が感情表現と共に入手できることは徳久らによって示されている[9]. そこで,本研究では, 原因文とパターンを照合することによって, 判断条件の成立と不成立を機械学習する. 学習方法は次の通りである.

まず,原因文とパターンの照合により,引数に具体的な格要素が入った 判断条件を得る.次に, セットに付随している情緒が,原因文に付属する感情表現の 情緒極性と一致する 場合は,その判断条件に $T$をカウントし,不一致の場合は$F$をカウントする.

その結果,引数の具体化された 判断条件の成立と不成立の関係を, $T$$F$の割合で,本知識ベースに蓄積することができる. $T$の割合が多ければ, その判断条件は一般的に成立すると判定でき,情緒を推定する. 逆に,$F$の割合が多い場合は,情緒の推定を抑制する処理を行う.

例えば,「子供が小遣いを貰って喜んだ」という 文がWebから獲得できたとする. 本辞書と照合すると,図3.1のパターンに適合する. 「喜んだ」という表現から, 情緒属性セット2の 「目標実現・近(子供, 小遣い)」は,成立すると判断でき, $T$をカウントすることができる.一方,セット3より「生理・離(子供, 小 遣い)」は$F$にカウントすることができる.



平成23年3月9日