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コピュラ(繋辞)

「です」や「で ある」のような文の主語とその後に置かれる後を結ぶための補助的な品詞であるコピュラ(繋辞)には,存在の意味を表すものが存在する.以下に例を示す.
私 は 学生 です
私 名詞,代名詞,一般,私
は 助詞,係助詞,は
学生 名詞,一般,学生
です 助動詞,特殊・デス,基本形,です

コピュラは動詞ではなく,助動詞として認識されるため,文法構造がまったく変換されない,または名詞の前に動詞があると,「動詞+名詞+です」を「動詞」と認識され,主語の後ろに移動する.以下にその例を示す.


例1  
元の文 人間 は もの を 言う 動物 です 。
成功例 人間 は 動物 です もの を いう 。
失敗例 人間 は 言う 動物 で す もの を 。
対訳文 Humans are animals that can talk .
例2  
日本語文 元の文 いずれ 彼 の 花嫁 と なる 人 です 。
成功例 人 です いずれ 彼 の 花嫁 と なる 。
失敗例 なる 人 です いずれ 彼 の 花嫁 と 。
対訳文 She is his future bride .
例3  
元の文 それ は 私 が 長い 間 捜し て い た 本 です 。
成功例 それ は 本 です 私 が 長い 間 捜し て い た 。
失敗例 それ は 捜し て い た 本 で す 私 が 長い 間 。
対訳文 That's the very book I've been looking for so long .

「です」や「で ある」は存在の意味を表す動詞「ある」の派生である.このため,「学生+です」をはじめとする「名詞+コピュラ」で終わる場合,「名詞+コピュラ」または「コピュラ」を動詞と認識する必要があると考える.


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平成21年3月19日