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応用

本研究では接続表現に注目することで従属節,主節の情緒が推定できる可能性に ついて示した.たとえば一方の節の情緒が不明で,かつ他方の節の情緒が容易に 推定可能な場合,接続表現をみることにより不明であった情緒を推定できる.

吾郷[6]は判断情報知識ベースの構築を目指している.研究[6] では構築の際,情緒の判断として文脈の内容から判断している.しかし,内容か らの判断はコストがかかる.その問題を解決する手法として本研究が利用できる 可能性がある.

現在では3分類系による分類にとどまっているが,9分類系による分類ができれば, 次のような手法が実現可能と思われる.

たとえばWeb上に

給与を貰ったのに悲しい.

という文があるとすると,主節の「悲しい」から情緒「悲しみ」が推定される. また接続表現「のに」は情緒が反転する際に用いられやすい接続表現であるので, 従属節「給与を貰う」から喜びが推定できる.ゆえにこの事例では目標実現 「,給与」においてTの事例であるといえる.このように事例を集めるこ とでコストをかけずに判断情報知識ベースを構築することが可能となる.



平成20年6月3日