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マルチパス法

マルチパス法は,男性話者HMMと女性話者HMMを平行にしたモデルである.音声を音素単位で考え,各モーラごとに子音と母音に分け,男性話者の子音と女性話者の子音で,男性話者の母音と女性話者の母音で相互にパスを持つPMC法のモデルを構築する.各状態の尤度は,各状態に遷移されるパスの最大値を選択する. 従って,モデルの尤度は,モデルの最適経路上での尤度となる.最後に,PMC法と同様の手法で認識結果を決定する.

マルチパス法のモデルは,HTKを用いて認識を行うため, PMC法のパスに,相手側音声の次の音素に遷移するパスを加える. 図9にマルチパス法のモデルを示す.

図: マルチパス法
\includegraphics[width=10cm,clip]{multi_suc1.eps}
1個の音声に対して複数の候補の単語の尤度を求め, 一番高い単語が認識結果になる.具体的には,1個のクロストーク音声に対して,男性話者10単語女性話者10単語により,作成した100個のモデルの尤度を出し,一番高い組 合せのモデルが認識結果になる.100個のクロストーク音声に対して行い,認識できていた場合を数え認識率とする.PMC法と提案手法も同じ方法をとる.

10にマルチパス法の認識結果の例を示す.



図: マルチパス法の認識結果
\fbox{\includegraphics[width=7cm,clip]{pp.eps}}


発話内容が「悪質+対策」に対して100個のモデルの尤度を出し,順位付けしたのが下の表で, 1位の「悪質」「対策」が認識結果になる.この例は同時発話認識できている.



平成24年3月20日