next up previous contents
次へ: 文型パターン辞書 上へ: 研究の背景 戻る: 研究の背景   目次

要素合成法とパターン翻訳方式の訳質の違い

重文・複文の翻訳において,要素合成法とパターン翻訳方式には大きな違いがあ る.前者は入力文を節単位に区切り,各節を単文として翻訳を行う.このことに より,複数の節を持つ文の場合,それぞれの節を翻訳し,後に結合することにな り,冗長になりやすく,また全体の意味が失われる場合がある.対して,後者は 入力文全体の構造を把握することで,複数の節に対しても全体の意味を保ったま ま良質な翻訳が得られる.図1に要素合成法とパターン翻訳方式 の訳質の違いを示す.


図 1: 要素合成法とパターン翻訳方式の訳質の違い
\includegraphics[width=14cm]{pattern.eps}

1において,要素合成法では「When spring has come, a leaf bud grows.」 と訳され,パターン翻訳方式では「In spring, a leaf bud grows.」と訳されて いる.

要素合成法では節単位で翻訳した結果を「When構文」として合成し,訳出している. 一方,パターン翻訳方式では,文全体の意味をとらえることで,「春になる」を 「In spring,」と,訳出し,主節とともに訳出している.2つの訳文を 比較すると,パターン翻訳方式の訳文の方が英語として慣熟 した文であり,より良いと判断できる.本研究ではパターン翻訳方式では,この 様な良質な翻訳が出力可能という点に注目した.



平成19年3月12日