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概要

日英パターン翻訳システムは,パターン検索プログラムと,同プログラムによっ て得たパターンを用いて翻訳を行うプログラム ITM に分かれている.

パターン検索プログラムにより,日本語文と文型パターン辞書を照合し,適合 する日本語パターン,対となっている英語パターン,線形要素記号の対 応情報を得る.[3].

ITM は,パターン検索プログラムによって得た英語パターンと線形要素記号の 対応情報を用いて,英文を訳出する.なお,線形要素記号の対応情報をバイン ド値と呼ぶ.

以下に処理の流れを示す.

  1. 日本語文を入力する.
  2. パターン検索プログラムを実行し,入力文に適合するパターンを全て得 る.
  3. 人手で,翻訳に使用する日英パターン対を選択する.
  4. ITM が英語パターンとバインド値を用いて自動的に英文を訳出する. 具体的には以下の2つの処理を行う[2].
    1. 単語を翻訳し,複数の英単語を得る.

      例えば,日本語文「彼女はりんごを持っている」,英語パター ン「$ <$ She$ \vert$ $ N$ 1$ >$ $ V$ 3 (a$ \vert$ an) $ N$ 2.」,変数と単語の対応 関係「$ N$ 1=彼女,$ N$ 2=りんご,$ V$ 3=持っ 」の場合,候補 に[[she], [have, has, keep,...],[a, an],[apple,apples]]を 得る.

    2. 文型パターン辞書[1]に基づいた英語言語モデルを 用いて,単語の連鎖確率を求める.そして,尤もらしい候補を 選択する.

      以下に,上例で得た候補[[she], [have, has, keep,...],[a, an],[apple,apples]]を選択する様子を示す.

      図: 単語の連鎖確率による候補選択の例
      \includegraphics[height=4.5cm,width=8cm]{word_net.eps}

      最も確率が高い「she has an apple .」が選択される.

この過程で得られた英文を訳出文とする.



平成20年1月27日