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本研究の目的

従来のパターンを用いた翻訳方式では,入力文の表現構造に一致する文型パター ンをパターンパーサから検索して出力しているが,入力文の翻訳に使用出来な い文型パターンが正解パターンと共に多く抽出されてしまう問題がある. この問題が発生する理由として,従来の翻訳方式は,検索条件に入力文の意味 を考慮していないからであると思われる.このことより,翻訳に利用するパター ンの検索は,文章構造のみを検索条件に用いる場合,困難であると考えられる. そのため,従来の翻訳方式に用いられる検索方法では, 入力文の翻訳に使用出来ないパターンも抽出されてしまう. この問題を解決するためには,文の意味が統語構造に与える影響を考慮した検 索方法を用いるべきである.つまり,統語構造のみならず,統語構造と意味の 両面で検索を行うことで,従来方式の問題の解決を試みる.

ところで,日英機械翻訳の分野において,日英機械翻訳の分野では大規模な日 英対訳文型パターン辞書が作成されている.この辞書には,各パターンに対し て真理項が付与されている.この真理項は統語的分類と意味的分類の2種類の 情報をもっている.そこで,真理項を検索条件に利用することで,入力文と統 語的分類と意味的分類の両面から文型パターンの絞りこみを行えるため,意味 が類似した文型パターンが検索できる可能性がある.又,本研究にて意味では なく,"意味"としているのは,文章の統語情報と文章の意味を統合して"意味" と呼んでいるからである.

本研究では,真理項を用いた英文パターン検索実験を行い,意味的に適切な英 文パターンを出力するための最適な真理項の検索条件について調査する.



平成18年3月20日