next up previous
次へ: 照合結果を用いた包含関係の判定 上へ: 包含関係による削減の実験 戻る: 包含関係による削減の実験

包含関係の判定方法の実装

パーサは日本語文とパターンとの照合を想定して作成されている. そのため,パターンをパーサの入力仕様に合わせるために次の作業を行う.
  1. 要素選択記号,任意記号などを展開
     日本語文には,パターン記述に用いる,要素選択記号,任意記号等に対応する表現方法は存在しない. そこで,表2で示す記号の定義を元にパターンの展開を行う.以下に展開例を示す.
    パターン: /y $1^{/tk N 1は} /cf V 2ながら $1
    /f (V 3|ND 3をする)。
    展開後:

    1. /y /tk N 1は /cf V 2ながら /f V 3。
    2. /y /cf V 2ながら /tk N 1は /f V 3。
    3. /y /tk N 1は /cf V 2ながら /f ND 3をする。
    4. /y /cf V 2ながら /tk N 1は /f ND 3をする。

  2. 変数等を含むパターンの形態素解析結果を作成
     パーサの入力は日本語文の形態素解析結果である. そこで,要素選択記号,任意記号などを展開したパターンを, 原文とパターンの記述仕様に従って自動的に形態素解析を行い, パーサの入力仕様に適合する形式に変換する.
  3. 変数・関数のオートマトン定義の修正
     入力文としての変数・関数をパターン側の変数が表1で示す包含関係を用いて受理する様に, パーサのATNで用いるオートマトン定義の追加修正を行う. 今回,98個の変数・関数のオートマトン定義に対して109ヶ所の追加・修正を行った.



平成18年5月1日